成年後見

成年後見とは

高齢や、認知症その他の病気、精神的な不自由など何らかの理由で、自分の財産を自分で管理することに不安を感じたり、管理ができなくなったりすることは、特に高齢化社会の現在、多くの人がかかえる心配事です。ご自身だけでなく、家族や親せきがそうなることまで含めると、誰にとっても気になることです。

一方で、インターネットなどで簡単にお金が借りられたり物が買えたり、さらに悪質商法まがいの手口もますます巧妙になっていることを考えると、被害に会う確率や損害額はますます高くなります。トラブルが起きた後に何とかしようとしても、多くの時間と手間と費用がかかってしまいます。仮に裁判で勝っても、相手に支払う力がないため結局お金が戻ってこないというケースも少なくありません。

成年後見の制度は、そうしたトラブルを防止するための、「ころばぬ先のつえ」です。財産の管理に不安や困難がある人も安心して生活が送れるようにします。

種類

成年後見制度は、大きく、「法定後見」と「任意後見」の2つに区別されます。

法定後見

このうち「法定後見」は、多くの場合「守り」の制度として利用されます。すでに財産管理が困難になった人がいるときに、家族などの申立で裁判所がサポート役を選任します。ご本人の困難さの程度に応じて、サポート役は、「成年後見人」、「保佐人」、「補助人」に分かれます。「法定後見」が利用される理由の半分以上は、ご本人が認知症になったため預金の管理や解約をするのに「法定後見」を利用する必要が生じたことです。なお、「法定後見」は申し立てるとほとんどが認められていますが、認められるまでに1か月以上かかることも珍しくありません。余裕を持って準備することが必要です。

任意後見 -後見制度の真の主役

これに対し「任意後見」では、ご本人が元気なうちに、あらかじめ後見人とその人にお願いする仕事を決めておきます。現在、「法定後見」と比べて「任意後見」の利用割合はかなり低いです。ただ、自分の意思で不安のない生活を送るための「ころばぬ先のつえ」という意味では、「後見制度」の真の主役は「任意後見」の方だと言えます。「任意後見」はもっと利用されるようになることが望まれます。この点は、自分の意思で自分の財産を次の世代につなぐ遺言がもっと利用されるべきなのと同じです。

後見人選びのポイント

ただ、成年後見制度、特に「任意後見」で誰を後見人にするかは、現実に難しさがあります。気に入った家族や親せきを後見人に選んで、タダで引き受けてもらったのは良いのですが、数年たつうちに関係が疎遠になり、そうするとタダということが逆に関係のギクシャクを強めるかもしれません。外部の専門家にお金を払って後見人になってもらったのは良いのですが、気持ちが通わない事務的な管理しかしてもらえず悲しい思いをすることになるかもしれません。

この点で、①血のつながりや法律的な専門知識・地位だけで選ぶのではなく、②地道なことも嫌がらずにコツコツやってくれる実直で根気強い性格かを重視することと、③自分だけでなく公平な外部の専門家の意見も聞いて選ぶことが、後見人選びのポイントと言えます。

私たちの事務所では

「すずかぜ行政書士事務所」は、「任意後見」も含む35年以上の法務分野の経験の中での、このような実感から生まれた事務所です。どこまでも誠実に、「街と心によりそう涼やかな風のように」が理念です。「成年後見」の分野でも、その力をいかんなく発揮します。